角度と距離による写真の違い
同じ被写体でも、カメラを構える角度や被写体からの距離によって、全く違った写真に仕上がります。
ここでは食べ物がおいしそうに見える角度と距離について考えてみます。
モデルはマフィン3種(オレンジ・ブルーベリー・洋梨)です。
上から見下ろすアングル
ほぼ真上から被写体を見下ろすアングルです。
マフィンの種類はよく分かるものの、ちょっと説明的な写真になっていると思いませんか?
私がカメラを触り始めたころはこんな感じの写真ばかり撮っていました。
「料理全体をカメラに収めなきゃ!」
と思うとこんな写真になります
でも、そうやって上から見下ろすアングルの料理の写真って、あまり美味しそうに見えないんですよね。
真上から撮るとどうしても平面的な絵になりますよね。
料理って立体的に撮影しないとイマイチ美味しそうに見えないんですよ。
それに気づくのに、すごい時間がかかった……
ただ、この被写体(マフィン)に関しては、真上から見えるオレンジの形、洋梨の形、ソースのツヤ感などが個性的ですよね。
それらを前面にアピールしたい!という思惑があるなら、真上からの撮影もアリかも。
でも、その場合は10個くらい並べて、周囲に小物を配置して撮りたいな、ちょっとオモチャっぽい感じで。
テーブルにひじをついた状態で撮影
テーブルに両肘をついて、腕を三脚代わりにするような体勢で撮影しています。
若干斜め上から撮影しているので、マフィンが立体的に見えてきました。
最初の写真と比べて、マフィンの全体像が想像できるような気がしてきませんか?
この位置って、普段私達が食事をする目線とほぼ同じなんです。
実際に食べる時の目線で撮ると、食べ物が自然な感じで撮影できます。
ある意味、無難なアングル?
さらに低い位置で撮影(テーブルから15センチくらい上)から撮影
テーブルより15センチくらい上の高さから撮影しています。
テーブルに肘をついて、更に料理にグッと寄る感じ。
15センチってかなり近距離です。
普通に食事をするだけなら、(犬食いでもしない限り)絶対に目線がそこまで降りてきません。
マフィンの細かい部分まで見えるので、美味しそうに見えませんか?
ただ、テーブルの奥まで撮影できないのが難点です。
1品を大きく撮影するにはいいと思うんだけど……
また、被写体に近づけば近づくほど背景がぼけやすくなるため、後ろ2つのマフィンの詳細はよく分からなくなってしまいました。
もし3つのマフィンを全てクッキリハッキリ写したい時は、絞りを絞る必要があります。
また、この距離まで近づいて撮影すると、手振れが起こりやすくなるので三脚を使うか感度を上げて撮影しましょう。
被写体の一部を切り取るように撮影
更に近づいてみました。
前の写真と違うのは、「角度」です。
今回は上から見下ろすのではなく、レンズの向きとテーブルを平行にする感じで撮影しています。
(テーブルの向こう側の壁まで撮影する勢いで)
オレンジのマフィンは上の部分しか映っていませんね。
でも、後ろのマフィンの下部分が映っているから、全体として「マフィンだな」と分かると思います。
料理の全体を無理に写さず、一番特徴のある部分を切り取るように写すと雰囲気のある写真に仕上がります。
こんな撮り方も
ピントを真ん中のマフィンに持ってきて、手前のオレンジをぼかしてみました。
ピントは一番手前にある物に合わせる場合が多いため、ちょっと外してやると印象的な写真になります。
料理は縦位置の方が撮影しやすいです。
(複数のお皿を並べるような場合は特に)
今回は1皿しかなく、背景が若干寂しかったのでカラフルなコーヒーカップを置いてみました。
角度・距離による写真の違い まとめ
美味しい距離と角度を探してみましょう
思い通りの写真を撮るコツは、とにかく自分で色々実験してみる事だと思います。
その時に
- なるべく料理に近づいて撮る
- とにかく枚数をたくさん撮る
の2点を心がけてみると、上達が早くなるような気がします。
マクロモードがあるならマクロモードを活用しましょう。
あとはセンスの良い方の写真を参考にして、技を盗むこと!
と、言うだけなら簡単なんだけど、これがなかなか……
私は新聞の料理コーナーの写真や、ホットペッパー等のフリーペーパーの写真を参考にしています。
やっぱりプロの方が撮る写真は参考になります。
最後に、料理の撮影は原則としてフラッシュ禁止で撮影しましょう。
フラッシュをたくと、ほぼ100%不味そうな写真になります……
暗くて手ぶれしそうな時は、三脚を使うか感度を上げて撮影しましょう。
あと、蛍光灯の下では美味しそうに撮影することは難しいので、なるべく自然光を使うことも大事です。
おススメはレースのカーテン越しの太陽光です。
午前中〜昼ごろの光が撮りやすいと思います。
夕方の太陽は赤みを帯びてくるので、ホワイトバランスを合わせるのに苦労するかもしれません。
色々な状況でたくさんカメラを触って、カメラと仲良くなりましょう!