破綻しちゃった……
生命保険会社がバタバタ倒産したのを覚えていらっしゃいますか……?
「株は儲かる!」
と、変な自信をつけた村長さん、どんどん株式投資にのめりこみました。
「よし、株で10%は儲けが出るから、村人達には保険料の5%を支払うゾ!」
と村長さんは村人達に約束してしまいました。
時はバブル絶頂期。
株ももちろん、不動産の値段もまた、ガンガン上昇しています。
「土地はなくならないですからね〜、値段はずーっと上がり続けますよ〜」と、甘い言葉に乗せられて、積み立てたお金の半分を株に、もう半分を不動産に投資してしまいました。
ところが……とうとうその時がやってきてしまいました。
それは、
……バブル崩壊!……
株と不動産の値段が上がり続けると言うのは夢まぼろしでした。
株も不動産も大暴落ッ!
1000万で買った土地の値段は100万に、持っていた株の会社は倒産し、株はただの紙切れに……
これでは村人に約束していた5%のお金なんか支払えっこありません。
村長さんは頭を抱えるしかありませんでした……

(元生保勤めとしては笑うに笑えない話だったりする)
かなり大げさ&大雑把でスミマセン。
なんとなく感じだけ分かってもらえたら嬉しいです。
ところで、「予定利率」という言葉をご存知ですか?
予定利率とは、生命保険の契約時に支払いを約束する運用利回りのことをいいます。
(上記の例で言う「5%」だと思ってください)
当然、予定利率が高いほうが契約者にとっては有利となりますね。
保険会社は株などで運用して儲けられるお金をあらかじめ見込んで、保険料を割引しています。
具体的に言うと
「株で9%は儲けが出るだろうから、保険料は5%オフにしよう」とか、
「不動産投資がイイ感じだから、予定利率は5%でいこう」とか前もって決めているんです。
この決め事は(一応)契約期間中は破棄することができないルールになっています。
5%の予定利率を約束していても、会社が9%の利益を出すなら問題ありません。
会社は4%の儲け、契約者も5%もらえてみんなハッピーです。
でも、会社が2%しか儲けられなくなったら……?
たとえ会社が2%しか儲けられなくても、予定利率は契約期間の間ずっと保証されるので、お客様には5%引きをずっと保証しなくてはなりません。
したがってマイナスになった3%分は会社の持ち出しになってしまいます。
(このことを「逆ザヤ」と言います)
更に悪いことに、生命保険契約は通常20年30年と長期にわたります。
ということは、このまま景気が回復しなかったら、生命保険会社は20年30年も赤字を覚悟しなくてはなりません。
20年30年も会社が持ちこたえられればいいのですが、持ちこたえられない場合は……?
そう、破綻です。
会社側も破綻するのはイヤなのであの手この手で生き残ろうとします。
一番簡単な方法はお客様に昔から契約している保険を解約させて、「転換」と言う形で新しい保険に加入させること。
これなら一気に逆ザヤ解消です。
でも待ってください。
「会社に有利=契約者に不利」ってことでは?
残念なことに、半ば詐欺まがいの転換を勧めてくる保険会社も少なくありません。
以前、母が契約していた生命保険の契約を、しつこく転換するように言ってくる営業さんがいたんですよ。
私がじっくり内容を吟味すると、転換後は母にかなり不利になる内容で
「月々の払い込み保険料は安くなるけど、満期時に戻ってくる保険金が半分以下になる」内容の転換でした。
満期まであと少しだっていうのに、何でこんな転換を薦めるかなぁ
かなり頭にきたので、営業さんを泣くまで問い詰めてやろうと思っていたのですが、母が一言
「娘が○○生保に勤めていて……」
と言ったら、その日からパッタリ営業活動に来なくなりました、うーん、残念。
保険の転換を進められたら、まずは疑ってかかって保険に詳しい第3者の意見を聞くことをお勧めします。
今はそんな詐欺まがいの転換を勧めるのは少なくなってきたとは思うけど、当時生命保険会社も生き残りに必死でしたからね……
私も生命保険会社に勤務していたから、その辺の事情は分かるけど、でも、わざとお客様の不利益になることはしちゃイカンよ。
実際に生命保険会社が相次いで破綻した時期がありましたよね?
千代田生命とか、第百生命とか……
私は千代田生命にも第百生命にも就職の面接に行きましたよ
不採用だったけどね