東日本大震災で被災してからのこと

公開家計簿WAKABA 東日本大震災 家具の動きっぷり

震度6で家具はどう動くか

東日本大震災の前に、岩手宮城内陸地震を経験しています。

その時の我が家での震度は5弱
それなりに大きい揺れで怖い思いはしましたが、家具が倒れるということはなかったです。
今思いだせる限りでは、

  • 重心が上にある背の高いインテリア(ライトやこけしなど)が倒れた
  • 食器棚の中が乱れた
    (食器棚の中でワイングラスが倒れていたけど、割れるようなことはなかった。)
  • 化粧水のボトルが倒れた
  • ティッシュボックスなど、軽いものが落ちた

正直
「なんだ、意外と平気なんだ」
って思いました。
震度5でこれくらいなら、6でも怪我をすることはないかな……って当時は思いました。

一方、東日本大震災で経験した震度は6強

正直、震度6の地震は震度5クラスとは別世界

家具も家電も、
「なんでアンタがそこにいるのっ!?」
と困惑するくらい動きまくってました。

室内にいる時に地震が起きた場合、部屋にある全てのものが「凶器」になります。

その時に身を守る参考になれば……ということで、震度6で家具がどのように動いたかメモしておきます。

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震度6で家具はどう動くか

トイレ

「地震が来たらトイレに行けば安全。狭いから丈夫だし、重いものは置いてないし」

って思ってたんですけどね……

確かにトイレに物をたくさん置く人はあまりいないと思います。
せいぜいトイレットペーパーの替えくらい?
ペーパー類が落ちてきても怪我をすることはないでしょう。

でも、我が家のトイレ、タンクの蓋(陶器製?)が外れて下に落ちかかってました。
トイレタンクの蓋って結構重いですよ……そんなに簡単に外れるようなものじゃないのに。

トイレが狭かったのが幸いして、タンクと壁に挟まった状態で引っかかっていましたが、もし広いトイレだったらそのまま落下して割れていたでしょう。

あと、タンクの水がこぼれてトイレ中が水浸しでした。
トイレマットがカビました。気に入っていたのに

台所

洗い場

洗いかごがシンクに落ちてました。
かごの中の食器はぐちゃぐちゃ。

キッチン収納

流しの下と上に、扉付き(観音開きタイプ)のキッチン収納があります。
上の戸棚の中身は全部落っこちてました。
(ラップのストックやボウルなど、軽い物がしまってありました)
下の戸棚には 重い鍋やフライパンなどを収納していましたが、手前に置いてあったものは
全て飛び出していました。

冷蔵庫

扉が全開で、中の物がほとんど床に落下。
「落ちる」と言うより「飛び出す」感じ。
冷蔵庫からかなり離れたところまで食品が飛び散りました。
冷蔵庫自体は横に動いてました(20センチくらい)

食器棚

扉が全部開いて、手前の食器はほとんど落下。
奥の方にあった食器も、軽いものや重心が高いものは軒並み落下。
(ワイングラス、パイレックス、江戸切子が全滅)

ガラスや陶器は粉々に、塗り物はキズだらけに 
食器棚から随分離れたところまで破片が飛び散っていました。

幸い、食器棚自体が倒れることはありませんでした。
普段から食器棚の下にしょうゆ・油・味噌・缶詰など重いものを入れていたのが良かったのかもしれません。
でも、食器棚は横に30センチ動いてました。

電子レンジ・炊飯器

電子レンジ・オーブントースター・炊飯器などをひとまとめに収納するキッチンラックを使っていました。
キャスター付きなのが幸いしたのか、床を転がるように移動しただけで落下したものはなかったです。

キッチン周りの写真

地震後キッチンの様子

少し片づけて呆然とし、とりあえず写真でも撮っておくか……と現実逃避していたところ

地震後キッチンの様子

部屋中に破片が飛び散って、スリッパなしでは歩けない状態。
 食器棚が転倒しなかったのが不幸中の幸い。

リビングその他

液晶テレビ

液晶TVは無事でした。
25年は使っているテレビ台に乗せてあったのですが、キャスター付きだったため、揺れに逆らわずコロコロと移動したみたい
大型ブラウン管用のテレビ台だったから、重くて大きくて丈夫だったのが幸いしました。

パソコン

パソコンはディスプレイ、本体共にキャスター付きの机に置いてありました。
キャスターはロックしてありました。
それが良くなかったのか、液晶も本体も遠くまで吹っ飛んでました。
パソコンのコンセントって簡単に抜けちゃうのね……
本体はカバーが外れて、中身がむき出し状態に
でも壊れてなかった……意外と丈夫。
ディスプレイの枠にキズが付いたものの、動作に異常はなし。
震災後、床に座って使うタイプのパソコンデスクを購入し、本体は床に直置きするようになりました。

タンス類

服がぎっしり詰まっている重い木のタンスは、動いたけど倒れてはいなかったです。
タオルやTシャツなど軽いものを入れていた籐のタンスは飛んでいました。

押し入れ

ふすまが外れかかっていました。
直そうと思って無理にあけたら、中身が雪崩のように落ちてきました。

クレセント錠がついており、普通に鍵をかけていました。
ですが、鍵の横についているキーロック(下にスライドさせて鍵を固定する仕組み)をかけていなかったため、鍵が外れて窓が完全に開いていました。
防犯のためにも、ロックはしっかりとかけましょう。

本棚

ふっ飛んでいました……本棚も本も。
背が高くて、隙間なく本を収納してあったため、重心が上にあったのでしょう。
近くにいたら危なかった。
ガラス戸付きの本棚を使っている方は気をつけた方がいいと思います。

洗濯機

少し動いていたけど、問題なし。
洗濯機用のパンに入っていたしね。
洗濯機周りに置いてあった日用品のストックは散乱してました。

鏡台・電子ピアノ・カラーボックスなど小さめの家具

みんな飛んでました。

危険を予知しましょう

思い出せるのはこれくらいでしょうか。

どんな重い家具も、20〜30センチは場所を移動していました。

どの家具も、ほぼ同じ方向にほぼ同じだけ移動していたのには妙に感心してしまいました。
最初の強烈な揺れで一斉に動いたのかな?

手前に引いて開けるタイプの家具家電(食器棚・冷蔵庫など)は、扉が開いて中の物が飛び出してきます。

タンスの引き出しも、開けやすいようにローラーが組み込んであるようなものは勢いよく飛び出してきます。
子供用のタンスにそういう工夫がされているものが多いから、気をつけてあげた方がいいかも。

お住まいの家具・家電の配置を見て、危険な家具はどれか、一度考えてみましょう。

そして、家の中に「ここなら安全」という安全地帯を作っておいて、揺れを感じたらとにかくそこに移動するようにしましょう。
(寝室がおススメです)

家じゅう安全に出来ればそれが一番いいのだけど、食器棚もタンスも置かない生活なんてできないし……

あと、私の聞いた限りでは、「家具の突っ張り棒」はほとんど効果がなかったようです
おそらくですが、つけ方が甘かったんじゃないかなあ。
家具や天井にめり込むぐらいに突っ張らせておけば、話は違うのかもしれません。
いずれにせよ、耐震グッズの過信は禁物です、「ないよりマシ」程度に考えておきましょう。

家具の突っ張り棒よりも、家具と天井の隙間に新聞紙やぬいぐるみなどを詰め込んだ方が効果的だと聞きました。
なるべく天井と家具の接触面を増やして、摩擦を大きくするのがポイントだそうです。

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