東日本大震災で被災してからのこと

公開家計簿WAKABA 東日本大震災 もっと備えておきたいもの

目に見えない備え

備えておきたいものでは災害時に備えていきたい「物」について触れました。

でも実際に震災にあって痛感したのは、確かに食糧等の物資も生き延びるために重要なのですが、それと同じくらい重要なのは心構えというか何というか、目に見えない「備え」だったことです。

例えば、このサイトを見ている今、この瞬間、震度7の地震が起きたらどうしますか?

身の回りに凶器になるような家具はありませんか?台所は大丈夫?家族は一緒にいますか?離れた場所にいますか?どうやって連絡を取り合いますか?

毎日毎日「今地震が来たら……」と緊張する必要はないけれど、いつ「その時」が来てもいいように、状況に応じた行動をご家族で話し合っておくのがいいと思います。

東日本大震災は平日の昼間に発生しました。阪神淡路大震災は明け方に発生しました。

同じ地震でも発生した時間や季節によって状況は全く異なってきます。
色んな場合を想定して、ベストな行動がとれるようにシミュレーションしておきましょう。

以下、思いつくままにメモ程度ですが参考になれば。

深夜〜明け方

寝室にはなるべく家具を置かないようにしましょう。
窓ガラスも意外ともろいです。
やむを得ず窓ガラスのそばに寝る場合は厚めのカーテンをきっちり閉めましょう。

家にいるとき

家の中で「ここなら安全」という場所を作りましょう。
余裕があるなら玄関ドアを開けて逃げ道の確保を。

家族が離れている昼間

まず自分自身の身の安全を確保するのが第一ですが、そのあと家族の安否を確認すると思います。
就学児がいる場合、誰が迎えにいきますか?2人以上のお子さんがいる場合どんな順番で迎えに行きますか?
ご主人が仕事中の場合、連絡はどうやって取り合いますか?

いざという時の避難場所

家にいられなくなった場合、避難場所で家族がちゃんと会えるようにいざという時の避難場所を決めておきましょう。
避難場所には伝言板が設置されているので、そこにメッセージを残せばすれ違い防止になります。
メールも電話も使えない場合、一番確実なのは鉛筆と紙です。

自分の体力を知ろう

自宅から離れた場所で被災して公共交通機関が途絶えた場合、最悪徒歩で帰宅しなければなりません。
今いる場所は自宅からどれだけ離れているのか、歩いて帰宅できるのかを正確に把握しましょう。
場所の把握は小さい地図を持ち歩けば何とかなると思います。
(スマホのアプリでも良いと思いますが、確実なのは昔ながらの地図)

それともう一つ、自分がどれだけ歩けるかの目安を知っておくことも大切です。

震災後、私は自分がどれだけ長距離を移動できるのか把握しようと、色々条件を変えて近所を歩きまわりました。
その結果、ベストコンディションで連続して歩ける時間は2時間程度、時速は6キロだということが分かりました。
(2時間ごとに30分ほど休憩すればもう1〜2時間歩ける感じかな)

例えば、午後3時に自宅から30キロ離れた場所で被災したとしましょう。
交通機関は完全にマヒし、頼れるのは自分の足だけです。

距離が30キロだと、とりあえず2時間歩き切って12キロ進みます。

30-12=残り18キロ   この時点で2時間経過
30分休憩を取ってさらに12キロ歩きます。

18-12=残り6キロ この時点で4時間半経過
また30分休憩を取って、残り1時間で歩き切る計算です。
計算上は合計で6時間かかることになりますね。

ここで色々と問題が。

皆さんもお気づきの通り、これはあくまでも計算上のお話です。

最初から最後まで時速6キロペースを守れるとは思えないし、天気が悪かったり道が悪かったりすればもっと時間がかかるのは明白です。
さらに、きちんと休憩がとれる保証はどこにもありません。
ビルが崩れかかっていたり、水道管から水が噴き出していたり、ガスが漏れていたり、予想外のことはいくらでも起こります。

それに午後3時に被災して、6時間かけて帰ったとしても家に着くのは夜9時です。
暗くなると足元も見えないし、余震があった際に自分の身を守れるとは思えません。
特に女性の方は、暗くなってからの単独行動は絶対に避けてください。

午後3時に自宅から30キロの場所で被災した場合、私ならその場にとどまって身の安全を確保します。
(無理したら歩けない距離ではないと思うけど、総合的に考えるとリスクが大きいと判断します。)
これが昼間の9時だったら歩いて帰るかな……天気と季節にもよるけど。

大切なのは、どう行動するのがベストなのか冷静に判断することです。
家族の安否が気がかりで、一刻も早く帰宅したいのはよく分かります。
ですが、無茶な行動をして自分の身を危険にさらしては本末転倒です。
パニックにならず、冷静に行動できるようにしたいですね。

貴重品など

家を出て避難する場合に持ち出すものをリストにし、いざという時に速やかに持ち出せるようにしましょう。
常備薬、通帳・印鑑・保険証券・カード類・年金手帳・健康保険証・パソコンのハードディスク・貴金属などなど。
もちろん命が最優先ですから、出来る範囲で。

各ご家庭の家族構成や習慣などで色々なケースが考えられると思います。

事前に各自がどういう行動をとるか決めておけば、余計な気をもむこともありません。

家族の安否が確認できず、家族を探しまわった果てに2次被害にあうなんて悲しすぎますから、まず自分の身は各自でしっかり守っていざという時にベストな行動がとれるように備えておきましょう。

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