東日本大震災で被災してからのこと

公開家計簿WAKABA 東日本大震災 非常食の選び方

災害用非常食の選び方

震災を経験して思ったのは、どんな食品をどれだけ備蓄しておくかということに正解はないということです。

家族構成や年齢によっても違ってくるし、お住まいの場所によっても違ってくるでしょう。
比較的人の多い場所(交通網が発達していて、お店も多いような場所)では、割と早く食品が手に入ると思います。
しかし道路が少なくて、店自体も少ない場合は備えを厚めにする必要があります。

こうなると各ご家庭に必要なものをじっくり考えて用意するしかありません。

非常食について、考えたことをまとめておくので備えのヒントになれば幸いです。

とりあえず1か月分

スーパーでそれなりに買い物ができるようになったのは、震災から1ヵ月を過ぎたあたりからでした。
(完全に元通りになるまでは数ヵ月かかりました)
私の住んでいる地域はライフラインは全滅したものの津波の被害はなく、大手スーパーが多くある場所でかなり恵まれた地域です。

震災後1週間でボチボチお店も営業を始めましたが、入店まで数時間待ちということもザラ。
お値段も高く、販売制限(一人○○点までとか)もかかります。
できれば1か月分の食料を確保しておくことが望ましいと思われます。
水は給水車が来るし、水道の復旧は割と早いから多めに見積もって2〜3週間分準備しておけば大丈夫かな。

好物を入れて

震災後はショックで食欲がなくなります。
インフルエンザにかかっても3食キッチリ食事をしていた私ですら、直後は呆然として水すらも喉を通りませんでした。

でも、食べたくなくても栄養を送り込まないと体が参ってしまいます。
病院も機能していないのですから、ちょっとした風邪でも命取りになりかねません。

ショックで何も口にしたくない時でも「これなら食べられるかも……」という食べ物が誰にでもあるはず。
そんな食べ物をご家族で話し合って、各人の好物を1つ入れておきましょう。
(常温保存可能なもので、なるべく日持ちのするもの。栄養の有無はこの際気にしない!)

ちなみに、私の場合は「チョコレート」、夫の場合は「みそ汁」でした。
我が家の非常食BOXには、板チョコとインスタントみそ汁が大量に常備してあります。

非常食にこだわらないで

乾パン、水で戻せるご飯、パンの缶詰……など、たくさんの非常食があります。
確かに「非常食」は日持ちもするし、最近の非常食は味も良くなっています。
でも、そういった非常食は何日も食べ続けられるものではありません。

前述の「好物を入れて」と重なりますが、食べなきゃいけないと思っていても食べ物が喉を通らなくなります。
そんな時に一番食べやすいのは、普段から口にしている普通の食品です。

普段口にしているもので、「そこそこ日持ちする」「かさばらない」「最低限の調理で食べられる」ものをピックアップして備えておきましょう。
我が家はお茶づけ、クッキー、レトルトカレー、ふりかけ、ドライフルーツなどを多めにストックしています。

もちろん「非常食」を否定してるわけじゃないですよ。
何年も安定して保存できる非常食は備えておくと安心ですから、バランス良く備えをしておきましょう。

気軽に買い替えが出来るものを

非常食を備えていても、ほとんどの場合は災害が起こらず賞味期限切れを迎えます。

一番最悪のパターンは、

非常食を買いそろえる
 
賞味期限が切れる
 
新しいものを買わなきゃいけないけど、もったいないし、まぁいいか
 
災害が起こる
 
……食べても平気? というくらい賞味期限が切れていて途方に暮れる

あぁ、私のパターンだ

用意してあった非常食(袋入りラーメン)の賞味期限が3年過ぎてて、とても反省してます。
食べても大丈夫だったけど。

これを回避するにはどうしたらいいんでしょう……私が教えてもらいたいくらいです

多分、買い換えることを「もったいない」って思うのがいけないと思うんですよ。
あと、普段あまり食べたくないものを非常食にすると、なかなか買換えがしづらい気がします。

なるべく安く、普段から食べられるような食品を用意しておいて、日常生活で消費しつつ上手く回転させるのがいいんだろうなあ。

美味しくなきゃダメ

「非常食だから味は二の次」という理屈にも一理あるけど、私の考えは逆。
美味しくなきゃ食べられません……少なくとも地震発生直後は。

考えてみてください。
ライフラインが全て途絶えて夜が更けて、あたりは真っ暗で物音ひとつしません。
時々聞こえてくるのは、余震の地響きと崩れてくる壁の音。
こんな状況に置かれたら、食欲とかどこかに飛んで行っちゃいます。
しかも寒いし雪降ってるし
今でも軽くトラウマです。

1週間もすればそれなりに慣れて食欲も回復してくるけど、直後は食べ物を無理やり口に押し込むような感じでした。
一度備蓄してある食料を食べてみてください。
「美味しくないなー」と思ったら、非常食の内容を少し考え直してみては?

カセットコンロでご飯を炊けるようにしましょう

乾パン・水で作れる雑炊・カップラーメン等、手をかけずに食べられる食品はたくさんあります。
でも、いつも食べているものを食べるのが一番心の安定につながるんです。
そういう意味では、お米は最強です。

被災した直後は、缶詰や非常食、お菓子などを食べていました。
もうね、それが続くと精神的に疲労してくるんですよ

そんな時に食べた白いご飯の美味しかったこと。

ライフラインが全て途絶えても、カセットコンロは使えます。
ご飯を炊く調理器具は、土鍋でもフライパンでも圧力鍋でも構いません。
(ガスがもったいないので、できれば短時間で調理できる方がいいかな。)
そんなに難しくないので、ぜひチャレンジしてみてください。
ちなみに私は圧力鍋でご飯を炊いていました 圧力鍋でご飯を炊く

賞味期限チェックの時期を決めて

賞味期限を切れを起こさないためには、非常食の入れ替え時期を決めるのが一番。
入れ替え時期のおススメは衣替えの時期です。

夏に向けては水の備蓄を増やした方がいいし、冬が近づいているなら体の温まるスープ類を備蓄すると何かと助かります。
衣類と一緒に、非常食も季節感を持って準備しましょう。

目立つ所に置く

非常食の置き場所に頭を悩ませる方も多いと思います。
それなりに準備すると、結構な量になりますよね

普段目につかない場所にしまいこむと存在自体を忘れがちになるから、なるべく目につく場所に置いておいた方がいいです。
我が家では、タンスの横にドカッと置いてあります。
ちょっと見た目は悪いけど、いざという時取り出しやすいのが一番です。

長々と、思いつくままに書いてしまいました。
少しでも参考になれば嬉しいです。

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